これまでの人間の直感を超えた220万の材料を発見し、そのうち736はすでに実験室で再現できたとの研究報告がNature誌で発表されました。
GNNを用いた大規模なアクティブラーニングが材料発見の効率を大幅に向上させると述べられています。
DeepMindの研究者らによる報告です。
@ Amil Merchant et al., “Scaling deep learning for materials discovery”, nature
論文によると、無機結晶を発見する過程において従来の実験的なアプローチでは時間的、コスト的に限界があります。
また、シミュレーション手法についても推定能力が十分ではなかったと言います。
そこで今回研究者らは、GNNで大規模なアクティブラーニングを行い、安定性を正確に予測する材料探索手法の開発を試みました。
■研究の主な要点
① GNNを用いて素材の特性を構造や組成に基づいてモデル化
② 材料発見の効率が大幅に向上し、人間の直感を超えた220万の構造が発見された
③ 結晶構造内の原子を置換する手法やランダムな探索を含む、多様な候補生成アプローチを確立
■実験内容
① 既存のデータベース(Materials Project、OQMDなど)から、安定な結晶のカタログを作成
② 多様な候補構造を生成
③ 構造と組成モデルの両方にGNNを適用し、予測を行う
④ DFT(密度汎関数理論)計算での検証を実施
■実験の結果
① 220万の新たな安定構造を特定し、それらの多くは既存の化学的直感を超えていた
② 発見された安定構造のうち736は、独立した実験で実現されている
(シミュレーション上での検証ではなく、実験室で物理的に材料を作成し、実証できた)
大規模なデータセットと先進的な機械学習モデルを組み合わせる手法による、マテリアルズインフォマティクスの発展事例です。
このような材料探索アプローチは、データベースの質や量が重要になっています。
また、この研究で使用された手法は特定のタイプの材料に特化しているため、転用する際には更なる調整が必要な可能性があります。