AIの環境負荷(CO2排出量)を見積もった結果、AIは人間よりもテキスト生成において130〜1500倍少なく、画像生成においては310〜2900倍少ないとの報告です。
MITやカリフォルニア大学などの研究グループが検証しました。
○ Bill Tomlinson et al., “The Carbon Emissions of Writing and Illustrating Are Lower for AI than for Humans”
AIの環境への影響を懸念し、研究者らは代表的な2つのタスク(テキスト生成とイラスト作成)におけるCO2排出量を暫定的に算出し、人間と比較しました。
■テキスト生成のCO2排出について
① 人間:
・年間の人間一人当たりのCO2排出量を基に、1時間あたりの排出量を算出
・平均的な単語出力速度を基に、1ページを書くのにかかる時間を計算
・人間がテキストを作成する際に使用するコンピュータの電力消費によるCO2排出量を計算
② AI:
・トレーニングに必要なエネルギーとそれに関連するCO2排出量を算出
・トレーニングデータセンターのエネルギー効率とエネルギー源のタイプも考慮された
・クエリあたりのエネルギー消費とそれに関連するCO2排出量を算出
・データセンターのエネルギー効率とエネルギー源のタイプも考慮された
→AIは人間よりも130〜1500倍少ないと推定
■イラスト作成のCO2排出について
① 人間:
・イラストを作成するのにかかる平均時間を基に、そのタスクにかかるCO2排出量を計算
・人間がイラストを作成する際に使用するコンピュータの電力消費によるCO2排出量も含まれる
② AI:
・イラスト生成エンジン(DALL-E2, Midjourneyなど)のトレーニングに関連するCO2排出量を算出
・クエリ応答に関連するCO2排出量を算出
・データセンターのエネルギー効率とエネルギー源のタイプも考慮された
→AIは人間よりも310〜2900倍少ないと推定
■考察
・環境負荷の推定は変わる可能性もある
・AIの使用により需要が増加し、環境負荷の総量が大きくなる可能性はある
・AIを活用した人間のタスクに関わる環境負荷は今後の推定の対象になる
・今後も、AIの環境負荷を議論する際には人間との比較が有意義である