アイブンでは、論文に付与された再利用ライセンスをできる限り忠実に守り、第三者の会社である我々が引用しても問題がない論文のみを取り扱っている。
そのため、「この論文は実に興味深いので記事にしたい」と編集部が判断してもライセンスの関係で記事化できないことが時々ある。
その内いくつかのケースにおいては著者に直接コンタクトし、記事化の許諾を得ることもある。しかし、本来ならば全ての興味深いトピックを読者諸君の目に触れさせたい。
再利用ライセンスが十分に付与されていないケースは、企業によるリリースが多い。
そこで今回は、タイトルにもある通り主要なAI研究機関(企業)が自社の論文をまとめているWebページとその特徴を紹介する。


DeepMindは2010年に発足し2014年からGoogle傘下となったAI専門の研究企業である。有名な製品としてはAlphaGo(世界一の囲碁棋士に勝利したAI)、AlphaFold(タンパク質構造を予測するAI)などがある。
論文掲載ページURL:https://deepmind.com/research

OpenAIは非営利のAI研究団体である。TeslaやSpaceXなどで有名なイーロン・マスクが共同創始者として名を連ねている(同氏は2018年に幹部職を辞任)。自然言語処理モデルのGPTをはじめとする膨大なパラメータに基づく研究が有名である。「人類の敵にならない」AIを推進することを目的としている。
論文掲載ページURL:https://openai.com/publications/
Google、Apple、Facebook(Meta)、AmazonはそれぞれAIの研究グループを持つ。
※旧Facebook社は社名をMetaに変更したため、現在はGAFAではなくなった(しかし、GAMAという略称はあまり浸透していない)。

GoogleはDeepMindを傘下においているが、本社にもAI研究グループがつくられている。AIの基礎研究が多いが、ゲーム、ヘルスケア、自動車、製造などのテーマも時折見られる。Google AIのトップページには「毎日、数億人が使用するテクノロジーにインパクトを与える」とある。
論文掲載ページURL:https://research.google/pubs/

Appleが自動運転車を開発しているというニュースを目にしたことがある読者も多いと思う。同社は自動運転の他にも、AirpodsやiPhoneの写真アプリを進化させるようなAIの研究を行っている。AI関連の論文に関する精力的な投稿数は、他の企業に類を見ないほどだ。その多くは大きな話題にはなっていないが、研究成果は近い将来、製品に搭載されたAIとして消費者の手元に届くはずである。
論文掲載ページURL:https://machinelearning.apple.com/research/

Meta(旧Facebook)のAI研究はテーマがはっきりしている。ネット上での消費体験を変えるような検索AI、ディープフェイクの検出、人物の検出など、同社の現在と未来を結びつけるようなテクノロジーを集中して開発しているのだ。
論文掲載ページURL:https://ai.facebook.com/results/?content_types%5B0%5D=publication

amazonはAIに対する取り組みをチームとして対外的に独立させていない。Google、Apple、Metaと比較すると、その点は違いと言える。
論文掲載ページURL:https://www.amazon.science/research-areas/machine-learning
DeepMindやOpenAI、GAFA(GAMA)以外にも、AIの研究を進める企業は数多く存在する。今回はAdobeをピックアップした。

AdobeのAI研究は、恐ろしいほどAdobeらしさ全開だ。動画、アニメ、画像、音楽。特に目を引くのがメディア間の変換である。テキストから画像、画像からアニメ。Adobeの研究からはクリエイティブの垣根が消えていく未来を垣間見ることができる。
論文掲載ページURL:https://research.adobe.com/publications/?a=ai-machine-learning
この記事は必要に応じて機関(企業)を追加するなど情報を更新していくので、随時チェックしてみてほしい。またアイブン内には上記の企業が発表したAI論文の中から「これは面白い」というものを取り上げて個別に記事化したコンテンツもある。そちらもチェックされたい。
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